2023年09月08日(金)東京都障害者福祉会館 13時30分〜15時40分 第一回「福祉講座」 照井/皆さん、こんにちは。 厚生労働省障害保健福祉部、自立支援振興室の照井(てるい)です。 本日は3時半まで、よろしくお願いいたします。 佐久間さんからお話がありましたが、14時15分まで、前半としてお話しし、その後、10分間休憩し、残り3時までの2部に分けて説明したいと思います。 今来ている台風は港区への最接近時刻が3時です。 非常に微妙な時間なんですが、説明をダラダラやった方がいいのか、早めにやめたほうがいいのかは、皆さまの判断でお願いしたいと思います。 自己紹介をさせていただきます。 障害福祉関係の業務をやらせていただいているのが、職業人生30年のうち、12年くらいです。 最も古いのが、自立支援法の施行のときです。準備段階もあり平成16年ぐらいから、4年間、施行の関係で主に就労支援の就労移行支援就労継続支援A、Bのサービスの制度設計の仕事をしていました。 それ以降も障害やったり老健やったり、地方創生をやったりしながら、足かけで16年ぐらいやっています。 それでは、本題に入ります。 本日は、主に1番と4番を説明します。 それが終わった後、もう1つの薄い資料、報酬改定の関係について、全体の方針が8月末にオープンになりました。 何を狙って報酬改定をするのか。 なぜそういうことになったか、背景を説明できればと思います。 まずは、枕として、障害のある方の状況です。 どんな講演でも入口として我が国で障害のある方の状況を最新の数字で知ってほしいので、見慣れた資料ではあるとは思いますが、お付き合いください。 まず、障害者の数です。 障害者の総数は1,160.2万人。こちらは、かつては900万とか1000万といわれていました。障がいのある方の人数が増えたかというとそうではなくて、表現悪いかもしれませんが、障害のある方というのはざっくり言うと、制度が決めるんです。身体障害はこういう状態の人である、知的障害の方は、IQがこうだとか、精神障害の方はこういう疾患であるとか。制度が決める人数なんです。 世の中で言う、少子高齢化、年少人口や高齢者人口とはそういうものとはちょっと色が違うので結構変動します。 なぜ今回、100万人以上も増えたのか。これは、精神障害者の制度が変更されたからです。 精神障害は614万人となっていますが、昔の資料をお持ちなら見ていただければと思います。 2〜3年前は480万人ぐらいでした。 それが精神障害のある人がこういう状態像だという制度の見直しによって100万人以上増えたという結果で、1160.2万人となっています。 実際障害者の人数が増えているのが移管ということではなく、障害があると認定されることで、いろいろな制度の利用できるようになる人たちが増えてきたという良い面をアピールしたいと思っています。障害のある方が現状、どういうふうに生活されているのか、という面で言うと、在宅・施設の別だと、ほとんどは在宅。全体の97〜98%が在宅で、残り2〜3%が施設に入っておられる。 年齢別だと、身体障害の方は、高齢化が進んできていて、65歳以上の人数が75%となっている。我が国の年齢構成よりも更に高齢化が進んでいる状況です。 背景には医学の進展などもあります。ただ、一方で最近、出生時に重い障害があって、数年前までは亡くなっておられた児童、お子さんがそのまま延命して、重症心身障害児、医ケア児の形になっていて、その方々が増えています。 今、医ケア児と呼ばれる胃ろうや人工呼吸器などを装着しているお子さんが今1万7000人くらいいます。毎年1000人以上増え続けています。 身体障害の方の年齢も、ひょっとすると若い人がちょっとずつ増えてくるのかもしれません。 一方で、知的障害については比較的若い人が多くなっていますが、これも制度的なものだと思っています。障害者自立支援法ができたのが今から17年前です。17年前に特別支援学校、18歳を卒業された方が、今40歳とか30代中盤になっているわけですが、そこから若い世代の知的障害の方の制度の利用がすごく多いのも背景にあります。 それより前の措置の頃は、知的障害の方は制度としては入所施設くらいしかなかったので、あまり表に出てこなかった。 制度が自立支援法になって、表に出てくるようになった人が多いから、まだ若い状態なのかなと思っています。精神障害の方も65歳以上がだいたい4割くらい。未満の方が6割ぐらい。 これは、発達障害の認知度の上がり方などで、若い人が精神障害として新たに入ってくるようになったというのも背景にあると思います。 障害福祉サービスの利用者数の推移です。 最新のデータ、令和4年12月、150万人。 障害者18歳以上が約100万人、障害児、18歳未満が50万人。 1対2ぐらいの割合で制度の利用がされている。 割合としては、一番左側、平成30年12月だと90万人対30万人なので、障害児の割合が増えてきています。 少子化は障害児にもあるので、障害児の割合はひょっとしたらこのくらいで頭打ちになるのかもしれませんが、障害児の重い方は、そのまま障害者サービスに移行しますので、そういう意味では、障害福祉サービスの制度の利用者は全体で見ると今後も伸び続けていくのかなと考えています。 それに合わせて費用も、一番右側が1兆9000億円とあります。 同じ比喩ばかりで申し上げにくいですが、これは、日本人が1億人だとして、すべての日本人から毎年1万9000円もらっているという計算です。 積み上げると、1万9000メートルの高さ。あまりピンとこないけど、そのくらいお金を使っていることになります。 良いとか悪いとかではないのですが。 実際に費用の伸びは社会福祉、社会保障系の中では最も伸び率が高いです。 次は、一人あたりの費用の推移です。 障害者のサービスが一人あたり、一月22万円かかっている。 障害児の場合はひと月12万円です。 こちらが総額、前のページの2兆円というのは、国の税金と利用者負担で約2兆円でした。 このページは費用としては全体で計上しています。 こちらで見ると3兆1000億円になっています。 障害福祉サービスとしては、総額約3.2兆円で毎年運営されています。 費用でいうと、私がやっていたころは支援費が終わったころで、費用自体は年間4000億円くらいでした。それが自立支援法になってどんどん増えていきました。 元々、潜在的なニーズが非常にあったんですが、増えていって世の中に障害のある方のサービスがちゃんと浸透してきたと思い始めたのは1兆円ぐらいからでした。 総額で見たときに、1兆円超えたくらいから、世の中にちゃんと制度ができてきたと実感した感じです。 報酬改定の説明でもしますが、3.1兆円まで費用が伸びることで地域に障害福祉サービスが増えたというメリットもあれば、サービスの質やお金もうけに走ってる事業者が増えたり。 それを防ごうと制度を見直すと、制度自体がゆがんでしまったり、いろんな弊害が生じてしまっています。 次です。障害福祉サービスにはどんなものがあるか。 皆さまにとっては釈迦に説法だとは思います。 見ていただきたいのは、利用者数や事業者数のところ。 利用者数は日中系サービスですと、生活介護が30万人ぐらい、就労継続支援B型が32万3000人。この2つの事業が最も多く、30万人ずつぐらい。 訪問系は相変わらず若干増加をしながら、ホームヘルプは20万人ぐらいの利用。 利用者数も全体として増えています。 次が、障害のあるお子さんに対するサービス。 一番上、児童発達支援。 未就学児、保育園幼稚園ぐらいまでの子どもの療育支援のサービスですが、16万7000人、放課後等デイサービスが30万9000人です。 放課後等デイサービスは小学校から高校生ぐらいまで、主に放課後と休日にお預かりして療育支援をするサービスです。 10年以上前に特別支援学校全体の生徒児童数を抜きました。 今は、特別支援学校全体では13万人なので、もう少しでトリプルスコアになりそうです。 一般校で発達障害のあるお子さんや特別支援学級に通学されてるお子さんも放課後等デイサービスが引き受けているという背景もあります。 次、総費用額です。 1個1個のサービスごとに、いくら使っているかという円グラフです。 利用者数の多い生活介護や就労定着支援B型は割合も高い。 利用者一人当たりの単価が生活介護が多い場合で倍以上高いこともあって、それもあって、生活介護とB型はどちらも利用者が30万人くらいなんですが、報酬面では生活介護は倍もらっています。 放課後等デイサービスも30万人の利用者がいるので、就労定着支援B型と報酬単価自体は似ているので、同じくらいの割合です。 次は一人あたりの費用額。 少ない人数で長い時間支援を受ける必要がある人、もしくはそういう設計をしているサービスの一人当たりの費用は正直申し上げて高いので、それは如実に出てます。 非常にマイナーな制度ですが、重度障害者等包括支援というのが毎月100万円ぐらいかかっています。 生活介護の事業所やホームヘルパーの事業所のヘルパーや施設職員が、その事業以外の場面でもずっと利用者に付き添って日中、夜寝るまでの間、支援をするというサービスです。 実際の利用者は全国に10人くらいです。 最重度の24時間支援が必要な方は、重度訪問介護の利用が多くて、平均で80万円の利用です。 大きな違いは、重度訪問介護には制約がないところ。 平均も79万円となっていますが、実際は私の知ってる方で80万円で終わっている人は一人もいなくて、多い人だと100万円、2人で200万など、24時間のホームヘルプと地域生活を送っている方もたくさんいます。 集団で支援を受けるサービスで、1万円台の10万円に近いところから30万円ぐらいまでの間に集約され、入所施設は高いです。障害児の入所施設は、一人当たりの平均的単価は高い。 障害者の入所は、施設入所支援、13万5000円。 払われる費用は夜の分だからです。日中は生活介護に通所していたりするので、実際に施設に入る一人当たりの月額は生活介護の22万9000円と施設入所の13万5000円を合算額が入ります。 そうするとだいたい同じくらいになります。 入所の場合は、障害者は昼と夜が分離されているので2つ払われる、障害児は分離していないので1本で払われる。 それでこういう違いが発生します。 ただながめているよりは、こういう説明があったほうがわかりやすいと思います。 次です。障害福祉の歴史。 なぜ障害福祉サービスが地域移行を目指すようになったのか。 昭和56年の国際障害者年が非常に大きなきっかけです。 その前は障害のある方は施設に入れようという政策でした。 ここで、施設から地域で生活しようという方向に転換を図りました。 それにあわせていろんな制度ができて、平成15年に支援費制度、初めて契約制度になりました。 財源がなさすぎて1年で破綻しました。 それを踏まえて平成18年に障害者自立支援法ができ、打ち出の小槌をいただきました。 費用も自治体が義務的に払う経費になり、現状の3兆円になっています。 それについても、障害者総合支援法に見直しがされ、昨年12月に一部改正が行われました。 次は、日本の人口の推移です。 余談ですが、日本の人口の推移が、私は大好きなんでなぜか分からないけど大好物で、少子高齢化と言われますが令和5年度は出生者数が80万を切ったという話なんかは例外ですが、少子化と高齢化が今後どんどん進んでいくというのは、実は第二次ベビーブームのころから言われてたんです。 何で第二次ベビーブームの頃から少子高齢化が進むんだと言っていても、周りの人があまり言わなかったか。 第二次ベビーブームのベビーが第三次ベビーブームをつくるんじゃないかと思われていました。 ところが、第二次ベビーブームの頃に生まれた子どもは、第三次ベビーブームを起こさなかった。 なので、少子高齢化が一気に進んだという背景があります。 最終的にまとめますが、まず何点か大きな話として、一番上の枠が65歳以上の人口です。 65歳以上の人口は、青い生産年齢人口、15〜64歳人口、年齢が上がるとどんどんこちら側に入ってきます。 少子化が進んでいるので、高齢者がどんどん増え続けていって、少子化のせいで15〜64歳人口は減っていき、少子化が理由で総人口も減っていく流れになります。 実はよく言われているのは、2040年代で高齢化がピークだと。2040年ですと、17年後になりますが、実はそんなことなくて、本当に多くの地域では高齢化も終わっています。 高齢化がまだ進展している地域は例えば東京都、東京23区、政令市ぐらいなもので、あとの市町村は高齢者も減り始めています。 高齢者も減り、生産年齢人口も減って、少子化も進むと、ものすごい勢いで人が減るんです。 東京都はまだ、学校がたくさんあるので、入学するためにいろいろな地方から若い人がたくさん来るんです。高齢化率もそんなに進まないし、人口もそんなに減らないんです。 ただ、東京都の悪いところは、出生率が日本一低いこと。 いっぱい地方から若者を呼びこんでおいて、その若者が赤ちゃんを産まない。 ますます少子化に拍車がかかるという状態になっています。 それを障害者福祉サービスと結びつけたときに、生産年齢人口が減りましたが、労働力人口はまだ増えています。 どこで増えているのかというと実はここ、65歳以上で働く人が増えた。 あと、育児中のお母さんが働き出した。 そういう理由で、労働力人口はまだ増えています。 ですが、それだって高齢者も減るので数年で頭打ちになるんです。 そうなったときに、では誰が働けるのかと言ったら、障害のある方しかいないんです。最後のプレーヤーなんです。 障害のある方が日本を支えていくんです。本当です、これ。真面目に言ってますよ。 すごいチャンスだと思っています。 そういう仕込みも実は役所の中で始めていたりして、そういう事例も少しずつ広まりつつあるんですが、我が国の人口の状態がこうなっている以上、障害のある方が頑張るしかないんですよ。 こちらは参考です。 一般会計、国の財布の内訳です。 支出がピークで147兆円あったのに収入は全部で63兆円しかなかったので、この間は借金で穴埋めするしかないという資料です。 令和2〜3年にどんと増えているのは新型コロナの影響です。本来の数字に令和4年から戻りつつあります。 新型コロナの前は101.4兆円、令和4年が107.6兆円。 だいたいこういう流れ、元通りになったかなという感じです。 次は、こども家庭庁が5月にできまして、障害児関係の福祉サービスが移管されています。 厚生労働省は主には障害者、18歳以上のサービスを受け持っていますが、障害児も者も両方の方々が利用できるサービスは共管ということで、両方でみましょうとなっています。 来年度の報酬改定なんかでも、基本的には一体的にやっています。 役所が分かれてどうなったかというと、制度が目立つようになって、そういう意味では良かったのかなと。 障害児サービスとはもともと利用者数も少なかったところが役所が分かれたことで、もうちょっと道の真ん中を歩けるようになってきた感じがします。 そこは非常によかったのかなと思います。 次は、障害者権利条約です。 なかなか難しいですよね。障害福祉サービスを進めていくとインクルーシブじゃないって言われるんです。 インクルーシブにすると生活できない障害のある方が増えていくんです。 そこの線の引き方、考え方がざっくりいうと国連と我が国ではちょっと違っている。 我が国のほうがどちらかというとサービス重視の線を引いている。 国連はどちらかというとインクルーシブな線を引いています。 ここの境目のところ、目立ったところだと、文科省に勧告が出たんです。特別支援学校をやめろという話も出ています。 それについては特別支援学校というのは教育の制度として非常に重要な役目があるので、引き続き必要なものである、と回答していたはずです。 そういう感じの内容で、国連から指摘されたということがありました。 ここ、総括所見が公表された。 参考としてあとでお読みいただければと思います。 次です。 あと5分くらいで2時15分ですが、1番が終わってなくても休憩を入れます。 終わった後で報酬改定の話に入ります。 令和5年度予算、今年度の予算です。 令和5年度の予算としては、国の予算の総額で、2兆157億円。 初めて2兆円を超えました。 昨年度からは約1000億円の増加になっています。 そのうちのほとんどが、障害福祉サービスの利用の増に充てられています。 これについては、障害福祉サービスの制度を見直したわけでなく、利用者の増加や医療的な支援が必要な児童の増加、高齢化にともなうサービスの質を上げることによっての増加だったり。いろいろな要素で1千億円弱増えました。 次が地域生活支援事業です。 補助金の事業で、例えば手話通訳の派遣費用、要約筆記の派遣費用など、社会参加に必要な経費で障害福祉サービスではない、ワンポイントで社会参加のために必要な経費について補助している制度です。 例外的には移動支援事業や、日中一次支援事業など、本来の障害福祉サービスでは賄いきれないところも一部支援しています。 補助金事業は、金額的に増やしていけない性格のものです。 何もしなければ原則1割減です。 毎年、財政当局と話し合いをして、障害のある方が社会生活をおくる上で非常に重要な補助金なんだと説得したうえで、少なくとも前年同額、もしくはちょっと多いぐらいで、毎年予算をいただいています。 次、施設整備費。 ハコモノの経費です。 45億円となってますが、ざっくり言うと1県当たり1億円です。 何も作れないんです、実際問題。 なので毎年、補正予算でさらに追加して、45億円と99億円、あわせて約145億円くらいを原資に施設整備をしています。 新築というよりは、改修、スプリンクラーの設置や防災対策で必要な経費として支出が多くなっています。 次が就労支援の関係の費用。次が社会参加の推進のための費用。 こういった費用を毎年計上しています。 最後です。 処遇改善について。 2年前に障害福祉サービスの事業所の方が、物価高もあいまって、人が集まらなければ働いてる人が辞めていく状況の中で、岸田総理から処遇改善しろと命令があって、そこから実際に実施しました。 【休憩 14:26まで】 【後半再開】 照井/それでは次は報酬改定の説明をします。 薄い方の資料と申しましたが、報酬改定はそもそもどんなものかという入口を4〜5分説明します。 厚いほうの資料50ページからです。 一部を省略して説明します。 障害福祉サービスの報酬は、障害のある方がある制度を利用したときに、一人1日利用したときにいくら報酬が出るかの単価を見直しをしたり、あと、政策的に進めたいものがあれば、それに合致する事業を展開した場合は少し単価を上げるなど、政策誘導的な側面もありますが、そういう見直しを3年に1回、やっています。 今までやってきたことが載っています。 この表のオレンジ色は制度改正。法律改定などの。 白色は報酬改定、お金の見直しです。 制度改正をしてもお金がともなわないとその制度は動きません。 制度改正をしても、実際にその制度が施行されるのは、報酬改定と同じタイミング。 直近では、載ってませんが、令和4年、昨年の冬に制度改正がありました。 施行は令和6年4月1日、今やってる報酬改定と同じタイミングで制度も改正されるという流れになります。 報酬改定は、制度改正で見直した制度を踏まえた報酬の設定と、あとは政策的に進めたい就労支援の充実などをのせた状態で3年おきに見直しをするということで今まで進んできています。 次です。 障害児サービスの中で問題になっていた障害児の入所施設に18歳以上でも継続して入所している、元お子さんを、今後どう対応するかが制度改正で明確化されました。 なるべく外に出すことを早めにするが、最低でも22歳までの入所できるようにしようと制度改正をしました。 18歳を超過しても障害児の施設に入所。 主に強度行動障害の方なんですけど、なるべく地域で生活できるような居場所を提供していこうという制度改正があったということです。 次は児童発達支援センターです。 こちらは全国にあるんですが、福祉型児童発達支援センターが642か所、医療型が95か所ですが、こちらの位置づけがあまり明確でなかったので、障害児支援の中核的役割を担うことを明確化しようとか。 それに合わせた報酬の見直しもしていきましょうとなっています。 報酬改定は基本的に検討チームという、一般的には審議会級、審議会とは違いますが厚生労働大臣政務官を筆頭とした会議のなかで報酬改定は進められることに毎回なっています。 アドバイザーとして、こういった方々がいます。 つい先だってから始まりました。 もう1枚の方の資料については、8月31日の検討チームの中で提出されたものです。 全体のスケジュールとして今は9月で、8月末までにヒアリングの意見をまとめ、論点の整理をしました。 それを踏まえて今月からはそれぞれのサービスの報酬の在り方について検討が始まりました。 11月については、ほとんどのサービスにのっかっている横断的な制度について検討し、12月に全体をまとめて、2月に最終的な報酬改定案を提示して、4月に新しい障害福祉サービスがワークするという形になっています。 ここまでで、この資料を終わります。 次、もう1枚のほうです。 検討チームで8月31日にあった資料で、主な論点をまとめています。 この論点をまとめていくにあたって、今の障害福祉サービスの背景についてまとめたものです。 そんなにたくさん説明はできないですが。 まずは法律が施行してから17年が経過しました、 利用者が150万人で、予算は2兆円と。 施行時と比較すると3倍以上になっていて、年々広がっていってますねと。 2つめの丸で、報酬改定というのは、制度改正をした、その制度を踏まえてやるものだと先ほど申しましたが、そういうことが書いてあります。 制度を見直しました。障害者部会という審議会の中でも、それに合わせた報酬にしなさいという提言があったとか。 その下、もう少し下の検討会でも精神保健医療福祉サービスの実現に向けた検討会の中で、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築が言われていたり。 強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会のなかで、実際、障害の種別でざっくり申し上げれば、なかなか地域での生活が行われていない類型の障害で唯一残ってる方なんです、強度行動障害の方は。 その方々が最後まで残ったことにはしっかり理由があって、非常に支援が難しいというもの。 支援者側の支援の質の向上を図りながらインフラも整備していって、地域で生活できるようにしていったらどうかという検討会での提案がありました。 あと背景としては、令和6年度は診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬の3つの報酬の同時改定なんです。6年に1回あります。 前回は平成30年にやりました。 この3つの報酬が同時改定されるということで、どんなメリットがあるかというと、それぞれの分野での連携が取りやすくなるんです。 障害と医療とか、介護と障害とか。 みんな報酬改定をするので、こういう連携をしたらそれぞれ報酬をこれだけあげましょう、というのを同時に足並み揃えてやれるようになるので、3報酬の同時改定は非常にメリットが高いと考えています。 今回も、障害の重度化や高齢化、強度行動障害の方、医ケア児、医ケアが必要な障害のある方、精神障害の地域移行の進展、これは主には医療との連携が必要な方々で、そういう方々に適切な医療と障害福祉体制の提供ができるような報酬の見直しをしたらどうかと書いてあります。 さらに、丸がたくさんあります。 問題だらけなんですけど、物価高騰、賃金上昇、人手不足。 物価高騰と賃金上昇の影響による経営状況の悪化なども踏まえて報酬については見直す必要があると書いてありますが、ただ同時に制度の持続可能性の確保。 冒頭もうしましたが、障害福祉サービスの総費用額が3兆円になり、地域に障害福祉サービスが、利用する側が選択できるものが増えてきた。 一方で利益優先に走る事業者もいなくはない。 そういう事業者に対して、付け焼き刃的制度の見直しを図ると、制度が歪んだものになる。 そこについても見ていく必要があるのではないか。 前段では、ある程度費用面は、もうちょっと上げてあげてもいいんじゃないの、だけど制度の持続可能性についても、ちゃんと見ながらやらないといけない、と書いてあります。 そういうことを踏まえての論点。 背景としてこういったことがあるけど、最も大事な、障害福祉サービスをどういう方向へ持っていくかについては、この3つで検討していけばどうかということです。 主な論点として、障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり。2つめは、社会の変化にともなう障害児・者へのニーズへの対応。 3。持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し これらについて検討していってはどうか、ということをお諮りしました。 それぞれの事項について、進めていく方向性としてまとめたものを付けています。 それについて、説明を補足します。 1点目、地域づくりのところ。 制度改正の中で、障害福祉圏域に1個となっていますが、今のところ半分くらいしか整備が進んでいないので、なるべく早期に1つ作っていこうと。 地域生活をする場合であっても緊急避難的な、例えばショートステイや相談支援、地域の障害福祉サービス事業所を結びつける真ん中にいる相談支援事業者が必要なので、それらを総称して地域生活支援拠点といいます。 障害福祉圏域の中心をまず整備を進めていこうということです。 それに併せて、相談支援については質の向上や提供体制の方針を検討する必要があるということです。 3つ目、意志決定支援を推進する方策。 あとはピアサポート。主に精神障害の方。あとは身体障害の重度の方もよくされてますが、ピアサポートも重要であるということも触れながら、最後の丸では、障害者支援施設。 昭和56年から「施設から地域へ」ということで地域移行を進めて、入所者は半分以下に減りましたが、今、実際に入所している方は、非常に高齢で重度の障害がある方や重い強度行動障害の方しかいないという状態になりつつあります。 そういう方を地域に出すというのは、何十年も地域生活をしたことのない例えば70歳の最重度の身体障害の方を地域に出すのか。さすがにそこまでむげなことはできません。 施設を残すということではなく、障害者支援施設は専門的な支援に関するノウハウを持っているので、それを実際に地域移行を図るために、その施設だけじゃなく、ほかに施設からもアドバイスや方策、専門的支援が有用だということを書いています。 想定される検討事項としては、8つ載せています。 制度改正がらみでは、4つ目、グループホームにおける一人暮らし等の希望の実現、支援の実態に応じた適切な評価のための方策。 今のところ地域移行のゴールはグループホームです。 それも障害福祉サービスの一部であるので、はたして本当にそれが地域移行と言えるかという議論もあります。 では実際にグループホームに入居している方であくまでも本人が望めば、グループホームから一人暮らしをする場合の手伝いも報酬上評価してはという検討もする予定です。 次です。 3ページです。医療と福祉の連携の推進ということで、相談支援と医療の連携や、医ケア児の成人期への意向にも対応した医療的ケアの体制の充実とか、最重度の障害者が入院した際の意志の疎通。 入院なので、実際の身の回りの世話は病院側が提供するのですが、意思疎通支援や意志決定支援は病院は提供できない。そこを福祉サービスでもう少し充実させては、と言っています。 そして、障がい者支援施設における医療機関との連携強化もしては、と。 (3)精神障害者の地域生活の包括的な支援。 精神障害者にも対応した地域包括ケア支援。 地域の中で福祉も就労も医療も相談できる、地域包括ケアを、精神障害の方にも対応できるように整備を進めましょうということを引き続き検討していきます。 次です。 社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへの対応。 児童発達支援センター役割の明確化をしていきましょう。 児童発達支援や放課後等デイサービスのサービス量が広がっている中、支援の質の確保。逆に、放課後等デイサービスが広がることでインクルージョンじゃなくなってくる。一般施策の放課後児童クラブや学童などに入れるお子さんでも放課後等デイサービスに来てしまう場合もある。 そういった連携をしっかりしましょうと。 その真ん中の役割として児童発達支援センターにもうすこし頑張ってほしいという議論してはどうかということです。 2つめの丸です。 保健、医療、保育、教育、社会的養護など、そこの地域の児童に関する機関、施設が連携して、障害のあるお子さんとその家族を支援するようなネットワークを構築してはどうかということです。 障害児にも対応した地域包括ケアシステムという感じでやっていってはと。 それを踏まえるとこういったことが出てくる。 この中で、トピック的なのが、3つ目のポツ、障害児通所支援における支援の実態に応じた適切な評価。放課後等デイサービスも児童発達支援も一義的には療育支援であって、預かりではないという定義です。 一方で、預かりニーズがあるのも事実で、類型を2つに分けるかという話があります。放課後等デイサービスで預かり中心のものと、療育支援中心の放課後等デイサービスで、類型を分けたうえで報酬にも差を付ける形にしてはどうか。 6つ目の「・」で、医療的ケア児や重症心身障害児、強度行動障害を有する児の支援の充実を図るための方策。 1つ前のスライドにも出てきましたが、医療との連携を図るとか、医療的な支援が必要な事業所に看護職員の配置をした場合、報酬に色をつけるとか。 現状の職員配置基準は10対2ですが、もう少し手厚い、3対1、2対1というふうに職員配置をあげてきたところは報酬を上げるとか。 次です。就労の促進です。 これについてももともと制度上できてたんですが、フワフワしていたので、明確化したものがあります。 実際に働いている方が定着支援の充実を図るためのもの。 企業で実際働いている障害のある方が、合間の時間や企業がお休みの時間帯に、障害福祉サービス就労系の事業は今でも利用できます。 今でも就労支援に真面目な事業所さんでは、OB会、OG会と称して、自分のところの就労系事業所から就職した、障害のある先輩を呼んで報告会を開いているところもあります。 あとは精神障害のある方で働くのに疲れたな、という方が少し寄って、居場所的に使うなど、そういったことは今でもできます。 そういう利用の最大の目的は職場定着なんです。就職した障害のある方がなるべく長い期間そこで働いてもらえるように、職場定着の支援を、障害福祉の就労系の事業になってもらうことについて、法律上、明確化しました。 その部分についても、何らか報酬で対応していけばどうかということです。 次は、就労継続支援A型、B型については、それぞれ収支の改善を図る方策をやっていく。 新型コロナがあって、減収になった事業所もありますが、どうやら、それともまたちょっと違う形で、最近またやっと賃金が伸び始めてはきましたが、私も就労を離れて長いので、具体的な理由ははっきり分かりません。あまり工賃や賃金、景気には左右されないんです。 何が原因かわからない…あ、唯一あるとすれば、民間の企業が障害者雇用に本気になってきたというのがあります。 本気になって障害者を雇いだした。 背景には、ひょっとすると前半の冒頭に申し上げた、もう人が集まらないからというのがあるのかもしれません。 本気を出した結果として、A型よりもB型に、集まらなくなってきたという話を聞いたことがあります。 A型の人、B型の人というのは、相談支援の事業者であったり、中ポツのセンターの利用者さんの親御さんが、この子は働けないからBでいいって思ってるだけで、実は一般就労できる人だったのかもしれないです。 仕事にはいろいろな種類があります。 そういう判断をするのはわからない、やってみないと分からないのに、うちの子は無理だからBでいいよという方が、ひょっとしたら民間の企業が本気で障害者を雇い始めたら引っかかって就職していったのかもしれないです。 どちらかというと、AよりBのほうが集まらないそうです。 最後です。就労選択支援の創設。 要は、100%第三者的な本人の職業能力の評価を目指して、就労定着支援を今後、令和6年は間に合わないかもしれませんが、令和7年ぐらいには制度として創設して、なるべくそういった目を排除した、第三者的に、その方の職業能力の評価をしていけるような事業をつくっていくことを今目ざしています。 これで最後です、次。 持続可能な関係です。 申し上げたいのは、冒頭話したいことのほかにあるとすれば、利用者数、事業者数が大幅に増加しているものがあるなかで、持続可能性の確保が重要な課題になっているので、メリハリのきいた報酬体系。メリハリのきいた報酬体系。なんでもかんでも上げてくれ、ということではなく、利用状況を見たら、例えばヘルパーさんの場合、30分から2時間までの利用時間が非常に多いけど、そこから先の利用時間は少ないんだと。なので、長時間利用の報酬単価を下げて、それを財源にして短時間分の報酬を上げる。すると、ヘルパー全体の報酬で見ると同じになる。 メリハリをつけて、利用が多いゾーンの報酬を厚くするなど、めりはりの効いた報酬体系に制度を見直すということも必要ではないか。 あとは、人材確保が難しいので、もう少しICTを使ったらどうかということが言われています。 検討事項で、トピックといえば3つめの、サービス提供の実態や質に応じた評価、ということです。 ずっと言われ続けていますが、時間単価で見たときにボリュームゾーンとそれ以外にメリハリをつけたり、サービスの質について支援をしっかりしてるところと、そうじゃないところで、報酬にメリハリをつけたらどうか。そういうことを議論してはということです。 これで資料の説明はすべて終わりです。 最後に一言申し上げますと、全体の話でいうと、増やしていこうというフェーズは終わっています。 充実強化して、めりはりをきかすかという、熟成期に入っていると感じています。 都身連さんとして、例えば日身連に報酬でこういう見直しをしてほしいという要望を、令和6年はもう終わってると思いますが、報酬改定の前のタイミングでそういう話があると思いますが、そのときに、どちらかというとこういう感じで、何でも増やしてくれというのは、ポイッと捨てられるので、こういう感じで要望していただければ我々としてはありがたいと思います。 【質疑応答】 【閉講】