福祉講座実施報告 照井/皆様、こんにちは。 紹介いただきました、厚生労働省、障害保険福祉部、自立支援振興室の照井です。 本日はよろしくお願いいたします。 まずはじめに、時間の流れです。 今が1時35分ですので、1つめのパートが1時35分から14時25分まで、45分間で1回目。 休憩が14時25分から35分まで、10分間。 後半の部分が14時35分から15時ですかね。 後半35分と申しましたが、30分程度で何とかしたいなと考えています。 よろしくお願いいたします。 説明に入る前に自己紹介ということでしたので、させていただきます。 先ほども話がありましたが、私、本当に晴れ男というか、雨が降らない。 外出をすると、雨が降らないというジンクスみたいなものがあります。 そのジンクスがあって、1回目の研修会のときも予報は雨でしたが、結局降らずにすみました。 このジンクスは、もう10年以上ですが、いまだに10年間出張先で雨に当たったことがなく、運の良さだけはあるのかなと思います。 趣味は、最近ちょっと新型コロナもあってやれてませんが、ランニングや散歩、これは毎日してます。 東京マラソンにも2度ほど出たことがあります。 そんなに速くはないですが、それが趣味です。 仕事の関係で申しますと、障害福祉の関係の仕事は、だいたい10年やっています。 通しで10年ではなく、間が少し、ほかの仕事が入ったりして、一番最初に始めたのが平成16年から、支援費の見直しが始まったころから、障害福祉の業務をしています。 平成18年の障害者自立支援法の制度設計も担当しました。 その当時の担当は就労支援ですね。 A型、B型などの事業の制度設計の担当をしました。 その後、少し間が空いて、次がホームヘルパー関係の事業を担当しました。 また少し間が空いて、今度は生活介護や通所関係の業務を担当して、だいたい10年くらいやっています。 本日の私の服装ですが、上が紺色のジャケット。素材はウールです。 パンツはグレーの綿で、スエードのローファーの靴、シャツは白です。 爽やかさを信条としております。よろしくお願いします。 余談なんですが、今日、WBCで大谷選手が投げるということで、さきほど手話通訳の方と親父ギャグで盛り上がってました。大谷選手が宿泊するホテルは何処かな、ホテルニューオータニでしょうかね、なんて言ったりしました。 これから説明しますが、まずは14時25分までお願いします。 障害者総合支援法の法改正が、昨年12月、臨時国会で法改正が成立しました。 中身については後ほど説明しますけれども、今回は法改正の内容と、それから皆さまが障害当事者だったり、利用者様と、その親族の方が多いとちょうだいしておりましたので、どちらかというと障害福祉サービスの現状の話も少し厚めに話をさせていただければと思います。 まず目次ですね。 次は「障害福祉サービスの現状」です。スライドの4ページをご覧ください。 前提となる障害のある人の数です。障害のある方が今実際に何人いるか。 障害者の数として、この資料を出しています。 右の箱が年齢別。 左の箱が在宅か施設で生活しているかという分類です。 現在、障害のある方が実際に何人という、はっきりとした統計はないので、推定値ですが、約1000万人いらっしゃる。 人口の7.6%ぐらいと言われています。 他に海外でも7〜10%と障害者と定義しておりますし、障害者であるかどうかの判断は制度によって大きく変化しますので、これはあくまで目安と思ってください。 だいたい人口の8%ぐらい、100人いたら8人は何らかの障害があると。 身体障害者と精神障害者がだいたい同じぐらいの数、身体障害者が436万人、精神障害者149万人、だいたい400万人ちょっとくらいが身体と精神になっています。 傾向として身体障害者の数は減ってきています。医学の進歩や高齢化、医学が進歩したので、新たな身体障害者の出現が減ってきたことによって、身体障害の方は、高齢化して、全体の数も減ってきている。 精神障害者は医学の発展によって逆に増えてきています。 精神障害の中には発達障害と呼ばれる方や認知症の方も入りますが、その方々が増えていますので、精神障害がある方というのは基本的に今後増えていく傾向にあります。 一方で、真ん中は知的障害者です。 知的障害の場合は医学の進歩には関係なく、一定程度の割合で生まれてきていますので、この人数はそんなに変化はない。 今は100万人で横ばいになっています。 在宅施設で見ると、圧倒的に在宅が多い。 昔の障害者施策は、どちらかというと、なるべく多くの方に施設に入所してもらうというものでしたが、それを平成12年に転換し、障害があっても住み慣れた地域で生活できるように支援しようという施策のもとで、障害のある方が施設を出るというムーブメントが起きています。 それにあわせるような形で、在宅が非常に増えてきています。 これは3障害すべてにおいて言えることです。 年齢別では、身体障害の65歳以上の方は74%です。 4人に3人は65歳以上。 一方、知的障害の方は65歳未満の方が圧倒的に多い、8割くらいです。 精神障害の方についても65歳未満が割合としては多い、6割ぐらい。 高齢化率からみると、知的障害の方も精神障害の方も比較的若いと思います。 制度ができてからまだ日が浅い。 知的障害というのが世の中に認知されてちゃんと数字を取り出してから日が浅いのも、一つの理由だと思います。 続いて、今、厚生労働省で障害福祉サービスを提供しています。 種類別利用者数とありますが、障害福祉サービスの種類について説明はまだしていません。 横棒のグラフの長さを比較していただればいいかなと思います。 利用者数のトータルということで、平成24年と令和2年で比較をしています。 サービスの利用が約2倍になっています。 障害福祉サービスにはどういったサービスがあるのか。 6ページに、大きく分けてピンク色の、介護給付。 黄色の訓練等給付の2つに分かれています。 ピンク色は、実際に、例えば上のくくりですね。 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援などのジャンルの事業はヘルパーさんにどういう内容で支援をしてもらうかによって、事業が分かれています。タイトルの横に赤丸で、者や児と書いていますが、者は18歳以上、児はお子さんです。 障害者、障害児のうち利用できるのはどちらかを、色分けしています。 居宅介護は、介護保険のヘルパーさんと全く同じで、ご自宅で入浴や排泄、食事の世話、日常生活の支援を行うサービスの障害者版です。 利用者数は約20万人くらいです。 その下が重度訪問介護。 これは障害にしかない制度で、最重度の障害のある方にヘルパーさんが長時間付き添いをして、サービス内容は、入浴、排泄、食事の介助に、さらに移動の支援や見守りなどの業務も実施する。 最重度の障害の方で人工呼吸器をつけている方の場合は、ヘルパーさんは直接的支援をする時間だけでなく、本人のバイタルの状況などのチェックも必要なので、比較的長時間、最も長い人で24時間、ヘルパーさんが付き添うという制度です。その下が同行援護。 これは視覚障害のある方の外出支援ですね。 ガイドヘルパーさんが同行援護のサービスを利用して、視覚障害のある利用者さんとAからB地点への移動の支援をする事業です。 その下が、行動援護。 最近注目されていますが、強度行動障害、何かのきっかけで急に暴れる、そういった障害をお持ちの方と外出をするときに、この場合は移動の支援もしますが、安全の支援。障害のある方本人もそうですし、周辺もそうですが、安全を守る支援の実施の事業です。 その下の重度障害者等包括支援は、こういった事業をシームレスに包括的に、この場合は単価は1本しかないのですが、包括的に提供するサービスです。 その下、短期入所は基本的には在宅の障害の方で、ヘルパーさんを利用したり、両親がお世話をしてる状態で、何か急に用事ができてその日、もしくは数日間、世話をすることができなくなった場合に、障害のある方が緊急的に短期間宿泊するサービスです。 その下、療養介護の事業です。 提供する事業所は病院です。 病院のなかで医療行為をしない時間帯の、患者さんの支援をする制度です。 この事業は、基本的に病院とセットになっています。 その下、生活介護。これはいわゆるデイサービス、障害のある方版のデイサービス。 日中お預かりして、食事、入浴、排泄の世話をする事業です。 少し間を置いて、施設入所支援とあります。 これは、入所施設のことですね。 こちらがピンクゾーンです。 その下が、イエローゾーンで、訓練等給付と言います。 これはほとんど障害福祉にしかない、独自の事業になります。 上から自立生活援助。 これは、施設などから退所をして、地域で一人暮らしをしたい障害のある利用者に対して、定期的に見守りのために自宅を訪問するなどで、何か分からないことがあれば相談に乗ったりするもの。 その下は、共同生活援助。 グループホームのことです。 障害福祉サービスを利用できる方であれば、基本的にどなたでも入居できます。 現状は、ここに入居することで、施設から出て地域で生活を始める障害者も非常に多い状態になっています。 利用者数を見てください。 施設入所支援が、利用者数が12万6000人くらいに対して、共同生活援助が15万4000人くらい。 現状は、もうグループホームの方が多い状態です。 地域移行が進んできていると言えると思います。 次は、訓練等給付の中の、訓練と呼ばれている部分です。 まずは自立訓練。 機能訓練と生活訓練と2つあります。 機能訓練は、いわゆる身体障害の方のリハビリのための事業になります。 例えば、不慮の事故で視覚に障害を持ってしまった方が街中を歩けるような歩行訓練などを提供する事業です。 その次が、生活訓練です。 例えばずっと長いこと入院していたとか、施設に入った方が、実際に地域で一人暮らしを始めるにあたり、必要な生活上の行動ですね。 例えば料理、掃除、洗濯もそうですが、服薬、毎日ちゃんと薬が飲めるかなど、日常生活について訓練をするところです。 就労移行支援。 例えば福祉作業所で働いている方が一般就労したいんです、という申し出があったときにこのサービスを利用して訓練を利用し、一般就労をしていくという事業です。 その下、就労継続支援A型、B型は、障害のある方が、福祉的支援のもとで働くサービス。 A型は労働者としてA型事業所が雇うので、最低賃金法が適用されますし、働く障害のある方も、それに相応する能力が必要になります。 一方、B型は、最低賃金法の適用はなく、基本的にはどんな方でも利用できますが、A型とB型では収入は全然違ってくるという特徴があります。 その下の就労定着支援は、一般就労した方に対してのアフターフォローをする事業です。 次は、18歳未満、障害児、お子さんに対するサービス。 児童発達支援と放課後等デイサービスがあります。 基本的には、支援の内容はほぼ同じ、障害のあるお子さんを療育するサービスです。利用する障害児の方の状態、例えば、未就学児の場合は児童発達支援、医療的ケア児は、医療型児童発達支援、小学校に入った以降、18歳までは放課後等デイサービスです。 利用者数は非常にのびています。 地域のニーズがあるといえますし、ご両親が働いていて、日中はお子さんの世話ができないので昼は特別支援学校、夜は放課後等デイサービスという利用も増えています。 利用者数、特徴的なのは、放課後等デイサービスは27万8千人。 障害を持つお子さんで、特別支援学校の児童・生徒の数です。特別支援学校の児童・生徒は12万人なんです。 12万人で、一方、放課後等デイサービスは27万8000人。 特別支援学校の児童・生徒さんを丸ごとのみこんでも、なお障害のあるお子さんは地域には多くいて、そういう方々が利用しているといえると思います。 次は、訪問型児童発達支援。 児童発達支援のサービスは基本的に通所してもらう。 ご両親に送迎してもらうとか、送迎バスを提供しているんですが、障害が重度で通所できない場合は、支援員が訪問してサービスを提供するというものです。 次が保育所等訪問支援。 障害児福祉の専門家が保育所を訪問して、通所しているお子さんに対する支援方法を情報提供する事業。 下の2つは障害児の入所施設。 状態像に応じて、医療型の入所施設は基本的に病院。 病院に入るか一般の施設に入るか、状態によって分かれます。 緑色は相談支援。 皆さん、相談するときはまずは役所の障害窓口に行き、そのあとで地域の相談支援事業所に行って、サービス等利用計画とか一般相談もあります。 ここの内容は省略します。 次、ここからはアウトラインです。 費用ですが、実際に障害福祉サービスの費用はどれくらい伸びたかです。 平成18年というのは法律ができた年です。 そこから比較してどうなっているかです。 平成18年は全部で6000億円だったものが、令和4年は6倍になっています。 3.6兆円とは、日本国民全員、例えば1億人いるとした場合、国民1人から年間3万6000円もらっていることになります。 私が長く障害についてやっていて特徴的だと思うのは、だいたい制度の総額が1兆円を超えた辺りから世の中がずいぶん変化してきたなと。 役所の側からすれば、凄く良くなった、充実してきたと実感されました。 年度で見ると、平成23・24年あたりから、随分、制度が街の中に浸透してきた。 それ以前のように、「利用したいサービスが街にない」とか、そういう状態が減ってきたという印象です。 24から総合支援法になりましたが、この制度は、定期的に制度改正、報酬改定。 サービス事業者側は実際に提供した人数と時間、障害のある方の障害の程度にあわせ合わせて報酬単価が決まっています。 それにあわせて事業所は収入を得ますが、報酬を3年ごとに見直しています。 「なるほど、こんなことがあったのね」ぐらいで見ておいて下さい。 オレンジ色のところが法律を改正したところ。 白いところが報酬改定です。 1点だけ説明をすると、右側に、改定率があります。 障害福祉サービスの報酬全体を、何%底上げしたかということ。 直近ですと令和3年度の報酬改定で、0.3%底上げされたということになります。 次の報酬改革は令和6年、来年の4月ですので、令和5年度については、報酬改定に関係したいろいろな議論が有識者の方を交えて行われることになっています。 一般就労への移行者数。 こちらも参考で見ていただければいいです。 新型コロナの影響もありますが、障害のある方の一般就労はどんどん進んでいる状態です。 右側の折れ線グラフは、就労系の障害福祉サービスの利用者のうち、どれくらいの割合の方が一般就労できたか、です。 一番上の青い折れ線が就労移行支援で、一般就労することを目標とする事業。 これが最も高くで、53.4%です。 残りの50%は?ということもあるかもしれません。 実は、就労移行支援事業は、利用期間が2年なんです。 ですから、1年で53%なので、ということは、それを2年に延ばしたら大体の方が就職できていることになる。 反対にこれ以上就職率が上がってしまうと、就労移行支援利用者が1年間で半分以上減ってしまい、事業の運営がなかなか成り立たなくなるのではないか、というところまで就職者の割合は増えてきています。 障害のある方の就職に関しては今非常に追い風です。 その理由は、制度もありますが、世の中の状況として、生産年齢人口の減少の裏返しなのかなとも思います。 生産年齢人口は15〜65歳ですが、今は本当に減っていますが労働力人口自体は、実は増えている。 その差を何が埋めているかというと、単純に生産年齢人口のなかで働いていなかった人と、生産年齢人口以外の年齢層の方。 15歳未満は働けないので、65歳以上の高齢者の方と、今まで働いてなかった、専業主婦、育児中のお母さん、あとは障害のある方が戦力となって地域社会できっちりと働いていただかないと、地域社会が成り立たないところまできていることが、裏としてはあるのかなと思います。 就労継続支援事業における平均賃金と工賃。 A型が賃金、B型は工賃です。 A型の賃金は、今現在は平均して8万円弱。 B型の工賃は平均して1万5000円ぐらいです。 B型の工賃がもっと伸びるといいなと思っています。 いろいろな事業で上がるような後押しはさせていただいていますが、B型の工賃が上がることによって、その工賃と、元々いただいている自身の年金で地域生活、一人暮らしができるといいなと考えています。 障害者雇用の状況。 追い風になっていると申しましたが、それを裏付けるように、雇用者数はすごく伸びています。 直近のデータで60万人くらいの方が何らか、民間の企業で働いている状況です。 障害のある方の就労が追い風である理由の1つは、法定の雇用率もあります。 ここに載っている雇用率は、2.3%とありますが、また2年後に率が上昇して2.7%に上がります。上げる理由は、障害のある方の一般就労が伸びてきたことが最大の理由です。 こういった制度の見直しによっても障害者雇用はどんどん進んでいくと思います。 この項の最後です。 処遇改善のイメージです。 よくニュースで、エッセンシャルワーカーの賃金が低い。 世の中の平均賃金よりも何万円も低いということで、2年前、政府は処遇改正に関していろいろな制度を新たに作ったりしています。 それによって、今でも差はありますが、この制度を作る前よりは若干、差がつまったかなと言えると思います。 ただ、事業者側から不評なのは、制度の仕組みがすごくややこしいと。 書類の提出がめちゃくちゃ大変だと言われています。 令和6年の報酬改定に向けて、ここら辺の簡素化については話し合いがもたれるのかなと思います。 次は予算案の説明です。 今、令和5年度の予算案について、まさに国会のなかで審議されているところです。 障害の関係も、最近国会のなかでよく議題になってることは、障害児関係の諸手当がありますが、諸手当や補装具費の所得制限の撤廃が議論として上がっています。 一定程度、世帯所得が例えば960万、1200万など、それくらいの所得のあるご家族に対しては、障害児の手当ては基本的には支給が停止されます。 それについて、お子さんの療育なので、収入にぜんぜん関係なく必要な経費は発生するので、所得制限は撤廃してほしいと、主に野党からそういう質問が出て、障害保健福祉部でもいろいろ答弁して対応をしているところです。 いずれにしても、所得制限を撤廃することでまた新たな費用が発生するので、財源も含めて、もしも撤廃するようなことがあったとしても、明日からできるかというと、それはなかなか難しいと考えます。 障害福祉関係の予算案、今回は、この資料まで説明して、いったん休憩に入りたいと思います。 先ほど3.6兆円と言いましたが、これは国の予算と地方の予算、それと障害福祉サービスの利用者負担を合算したものです。 こちらの予算とは数字が若干違います。 令和4年度予算額が1兆9000億円だったのに対し、令和5年度は2兆157億円、約1000億円、5%くらい増となっています。 こちらは障害福祉サービスの利用者数の伸びにリンクして、この費用も上がっていきます。 これについては、年々増え続けていくのだと思います。 令和5年度予算案で、主にどういうことに注目しているか。 6つの事項が並んでいますが、それぞれについて、青い部分に事業内容や金額が載っています。 主な施策から。 (1)良質な障害福祉サービスの確保。 1.4兆円。 868億円増です。 これが障害福祉サービスの伸びに応じた金額です。 点線で箱が切ってありますが、新型コロナウイルスに関するサービス継続支援です。 施設の中で集団感染等が発生し、施設の中でゾーン分けをしたり応援職員を呼んだり。 施設職員が感染したとき応援職員に入ってもらったり消毒したり、マスクやガウンを買ったりと、臨時的に必要な費用に補助をする費用です。 マスクは3月13日で、「それぞれの判断で」になりますが、新型コロナの経費については、令和5年度も引き続き補助をしていくことになっています。 (2)地域生活支援事業等の着実な実施。 1億円増。 地域生活支援事業、移動支援事業、日中一時支援、訪問入浴サービスなどです。利用者1人あたりということではなく、利用される方は、例えば、1人何時間利用でいくらという、比較的安めの利用料をはらって利用していると。 補助金事業は1億円増です。 (3)施設整備費です。 障害福祉サービス事業所を新たに建てるとか、老朽化したので改修するとか、そういう場合に必要な費用として45億円計上。 実際には、その下の囲いで、社会福祉施設等施設整備費補助金、令和4年度第二次補正予算で99億円、計上しています。 令和5年度は45億円と99億円の合計、144億円で整備していきます。 施設整備は毎年減額されてきています。 実際144億円あっても、さらっと考えると、1億円の建物が144個しか建たないということです。1億円の建物って、都内でいったら、普通の一軒家の民家。 それでは障害の施設にはなりえないので、144億円という金額は、金額だけ見ると大きく見えますが、箱で考えると、そうでもない。 我々ももうちょっと増額してもらえるよう毎年、要望はしているんですが、なかなか財政事情が難しいので厳しい状態です。 (4)障害者に対する就労支援の推進。 一般就労への支援や工賃をアップさせるための支援を実施しています。 (5)障害者等の自立社会参加の推進。 17億円くらい要求しています。失語症、盲ろう、聴覚・視覚の方への意思疎通支援の事業提供、ICTの利用支援、障害者芸術文化活動への支援。 (6)精神障害にも対応した地域生活支援センターへの支援。 これは精神科病院を退院した方を地域で支えようという、地域包括ケアの仕組みにも似た仕組み作りを精神障害でもやっていくという事業です。7.6億円です。(7)アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症への支援。 8.4億円です。 (8)発達障害児・発達障害社の施策推進。 発達障害のある方への支援は、今までもやってきていますし、支援センターも都内にいくつもありますので、その内容を引き続き継続していくということです。 最後の「参考」。こども家庭庁が春からできます。 そこに障害児関係事業を移管することになっています。 2つの項目がありますが、これらを移管するということで、参考で計上しています。 第1パートはこれで終了し、10分間、休憩に入ります。  休憩中 照井/お時間となりましたので、第2パラグラフ、再開します。 資料は18ページ、障害者総合支援法の改正からご覧ください。 時間は3時を目標に話します。 資料のページ数は多いですが、実際にサービスを利用する側からすると、あまり詳細に知っていても、サービスの利用には直接影響ないかなというところもあります。 端折りながらアウトラインを紹介したいと思います。 障害者総合支援法の一部を改正する法律案の概要です。 冒頭で話したように、昨年12月に臨時国会で成立した法律です。 今実際に施行されている障害者総合支援法の内容を見直そうということで、主に6つのテーマで見直しをしています。 その6つが太字です。 こちらについては、それぞれ資料の中に別で付いているので、そちらで説明していければと思います。 法改正で何を目指しているかが、次の20ページになります。 障害福祉が右上にあり、雇用・就労があり、左側に医療、その下が相談支援。 真ん中には住まいの場として、障害のある方が地域で生活する。 地域で生活をする障害のある方、グループホームなどを提供しつつ、地域で生活していただく。 地域で生活するにあたって、「施設からの退所」とありますが、入所施設から地域へ移行する、もしくは精神科病院から退院する。 左上の医療の箱から、真ん中に矢印が伸びていて、その見出しとして「病院からの退院」ということで、地域生活をする方々を増やしていきましょう、ということです。 地域生活を過ごす方が、必要に応じて、福祉サービスの提供。 障害福祉の箱の中、真ん中のあたりに、通所系福祉サービスと、訪問系福祉サービスが2つ並んでいます。 通所系は、生活介護の事業。 訪問系は、居宅介護や重度訪問介護などの事業です。 その下に、下の箱とのミックスゾーンがあります。 「就労系福祉サービス」というのが水色の箱の一番上にあります。 そこを経て、福祉的就労から矢印が出て、向かっていきましょうという、下向きの矢印が出ている。 そういったサービスを、今度は左側の「相談支援等」と、相談支援事業者がアレンジして、地域生活を支える。 そのようなことを示した、1枚の絵になっています。 最終的に生活が安定してきた障害のある方が、一番下の、地域の助け合い・教育ということで、地域の方とふれ合いもしていきたいという図です。 以降は、制度改正でどういったことを見直したかを、1枚ずつ資料にまとめたものです。 まず1点目。 グループホーム利用者が希望する地域生活の継続実現の推進です。 制度自体は大きく変更したわけではありません。 グループホームがゴールではないという考えの方もいて、グループホームに今住んでいるが、最終的には地域で一人暮らしをしたいと希望している入居者もいます。 その方々に対しても、グループホームはきっちり支援するんですよと。 今までも支援してもらうはずだったのを、しない場合も散見されたので、これを明確化したもの、と見直ししています。 一人暮らしをあくまでも希望の場合、ということです。強制的に一人暮らしをさせるわけではないことにご留意いただければと思います。 精神障害者に関する地域包括の話です。 見直しの内容の、最初の○で、基幹相談支援センターの設置を努力義務化したこと。 その下の○、地域生活支援拠点の設置についても努力義務化したことになっています。 基幹相談支援センターというのは、下の絵の左側の○で、真ん中にいる主任相談支援専門員が中心になって、障害のある方、地域全体の支援をする。 その相談支援の事業者は地域にたくさんありますが、相談支援事業者のまとめ役としてもやっていくセンターです。 こちらは、全国の半分くらいの市町村に設置がされているので、もう少し設置を増やしてもらおうと、今回、見直しを行いました。 次は、地域生活支援拠点の事業。 障害のある方が地域で生活しているとき、急にお困りごとがあったときに支援するような事業です。 こちらも、日本全国で半分くらいしか設置ができていないので、これについても設置数を増やしてもらおうと、努力義務化をしました。 最後の○のところ、精神保健に関する相談支援について、今までは精神障害者ですと認定された方しか相談できませんでしたが、このほかに、精神障害に何らかの課題のある方。 判定方法については今後検討しますが、ひょっとしたら精神障害あるかも、という方も含めて精神障害の専門家から相談支援を受けることができるように見直しをしています。 次、就労アセスメントを活用した支援の制度化。 就労系のサービスは、利用の最初で、利用する方の職業的な適性力をいろいろと調べたりして、向いている作業に配置したり、職業訓練を実施したりします。 ただ、これは最初にやるだけで、継続的にいろんな職業訓練や作業をすることで、本人がどれだけ能力が上がっていったかを継続的に見る仕組みになっていないことがありました。 これについては就労アセスメントの手法を活用して、実施する、就労選択支援という事業を創設しようということになっています。 アセスメントとは、模擬的な作業ですね。 帳簿に数字を記入したりPCに入力してもらうのを、一定のルールがある中で作業をしていただいて、その結果を踏まえて、その方の適性を判断しようという事業です。 こちらについては令和7年くらいのスタートということで、まずは就労定着支援の遂行ができるような支援員を養成する、研修などをしながら支援する人を養成することから始めていきたいと、事業実施していきたいと思います。 就労選択支援を経て、職業への適応力がわかった方については、ハローワークと連携して、適応力に合った仕事をあっせんします。 一番下に「ハローワーク等」とありますが、ここの参画して就労支援をしていくということです。 短時間労働者に対する実雇用率算定。 法定雇用率が2.3%ですが、障害の状況、労働時間によってパーセンテージに含めるかどうかが制度上決まっています。 今までは週20時間以上の障害のある方しか、この率に算定できませんでしたが、今回の見直しで週10時間以上20時間未満の方もこの率に算定できることになりました。 非常に大きな見直しです。 働く意欲はあるけど、重度の身体の方や体調に波がある精神の方で、「週10時間は働けないです」というのは、雇う側にメリットがない。 そういう方はなかなか就労できませんでした。 週10時間だと一日2時間です。 それで率に算定されるということになれば、今まで一般就労できなかった精神障害や重度身体障害の方も、今度就労できるチャンスが増えると思います。 障害者雇用で実際に法定雇用率2.3%を超過したり、しなかったりした場合、納付金を徴収したり報奨金をもらう制度があります。 2.3%に満たないと納付金を払う。 超過すると報奨金があります。 この金額を見直し、今度は障害者雇用を促進する目的で設備投資をする場合に補助ができるような助成金の創設を予定しています。 医療保護入院の見直し。 真ん中の吹き出しのところ、医療保護入院とは基本的にご家族の同意がないとダメだったんです。 ただ本当に緊急に入院が必要な状態の方でも、ご同意しなかったり意思表示がないとか、連絡がつかないということがありますので、そういう場合は市町村長の同意により行えるようにする。 ただしそれによって、医療法入院の乱用が起きるかもしれないので、まずはどれぐらい入院するか期間を定め、一定期間ごとに入院要件のチェックをする。 本当にこの人の入院は引き続き必要なのか確認することにしています。 その下の絵は時系列で表現したものです。 矢印の先の下に、本人のご希望で、入院者訪問支援事業を実施とあります。こちらは精神科病院と全く無関係の専門家を本人に派遣して入院の状況、本人の動向、ご意向を確認して、その入院そのものが引き続き必要・適切なのかをヒアリングする専門の職員を言います。 次に、入院時訪問支援事業のことが書かれています。精神科病院を訪問し、本人の話を丁寧に聞くとか、入院中の生活相談に応じる、必要な情報提供を行うと、訪問支援員は入院患者さんに対して実施することになっています。 次は、精神科病院に向ける虐待防止に向けた一層の推進です。 先日も八王子の病院であったと非常に大きな話題になりました。 今回の制度改正で、いわゆる身体障害者の虐待防止法がありますが、そのスキームと同じスキームを精神科病院にも適用することになりました。 ですから、虐待を発見したときは 通報義務がありますし、精神科病院は通報者に対して悪いことはしない、保護をする。 通報を受けた市町村や都道府県は、適切に対応する。 あとは何件虐待があったか毎年毎年厚生労働省に報告してもらう必要がある。 虐待防止に関する普及啓発、研修の実施を義務化する。 こういうことを精神科病院にもやっていただきます。 次は難病患者で医療費支給がありますが、支給開始が申請日からだったのですが、今度は申請日からさかのぼって重症化した時点から医療費の支給を受けられるようにします。 次は、難病患者の療養生活支援の強化です。 医学の進展もあり、難病があっても地域で生活したり、福祉サービスの提供を受けたり、ハローワークに行ったりすることができるようになってきました。 難病の方は障害者のようにIDがないんです。 毎回毎回「難病患者です」と言うと、診断書持ってきてと言われる。 診断書は依頼してからもらえるまで何日もかかるとなっていたのが、今度はマイナンバーカードを活用した登録者証を発行しましょうとなりました。 それによって難病の支援を受ける場合の煩わしさもある程度減少するのかなと考えています。 支援者側の連携強化。 この資料と、次の資料です。 元々あるメニューでやれていないものがあるので、もう少ししっかりとやってもらいましょう、というもので、この2つは省略したいと思います。 5番は、調査研究の強化。 障害福祉サービスを提供するにあたっての情報をデータベース化して、広く一般の方にも活用していただこうということを始める予定としています。 次は、事業所が実際に事業を始める場合の仕組みの見直しです。 これは、後でご参照ください。 今申し上げたような制度の中身については、3年に1回、障害福祉サービスの計画、今度は令和6年4月からは第7期障害福祉計画で、3年おきに障害福祉計画を立てて、その3年間で、地域で必要なサービスの量について、自治体でいろいろな資料、例えば3年間の利用者数の伸びや利用時間の伸びなどを勘案し、計画を作って、自治体としては基本的にその計画に沿った形で障害福祉サービスの整備を進めています。 令和5年度は、令和6年から3年間始まる、第7期の障害福祉計画の見直しの年度です。 厚生労働省としては、見直すにあたっての基本指針を、見直しの前年度に早めに出しているので、自治体は基本指針に基づいて、自治体の中でのサービスの量の伸びや減少を勘案しながら、向こう3年間、例えば生活介護の利用者数がA市だと3年平均で150人、その前から30人伸びたので、第7期はもう30人のばして180人体制で生活介護の事業提供ができるように整備をしようと市町村ではなります。 そういったことを第4項目で掲載しています。 最初のページが見直しにあたっての、基本指針の内容の概要です。 いろいろありますが、基本的には継続して、新たに障害福祉サービスを利用する方も毎年毎年いらっしゃるので、その方々に対しても適切にサービスの量を提供しつつ、ただ、あまりに増えすぎると、それはそれで経営が圧迫するので、中間的な数値目標を市町村は立てて、3年分の計画を策定しています。 この資料も後ほどご覧ください。 資料の説明は以上です。 直後の動きとしては、令和6年の報酬改定があるので、令和5年度はそれに向けての議論が始まると申し上げました。 同時に、事業所の運営状況を経営実態調査という調査票で事業所の収支を報告してもらい、それぞれのサービスごとの収益を調べることになっています。 調べた結果も踏まえつつ、令和6年度の報酬が見直される運びです。 最後に、締めの言葉としてお話を1分ほどします。 10年くらい障害福祉サービスをやってきて非常に感じている、予算の推移のところでも話しましたが、総額で1兆円をオーバーしたあたりか、地域に障害福祉サービスが非常に見えるようになってきました。 障害福祉サービス、そうは言っても、まだ制度が出来上がってから10何年しかたっていない制度ですから、障害福祉のサービスで見ると、今から10年くらい前までは生活するのが精一杯だったと思います。 どうやって食べていくか、生活していくか、どうやって風呂入ろうとか。 生活するので精一杯のサービスしか提供できていなかったのが、この10年で少し余裕が出てきたかなと、若干そう思います。 そのなかで、障害福祉サービスはこの先どこに向かっていくのか。 思うのは、障害のある方の状態を一般の方、いわゆる障害のないとされている方々で、障害のある方と接点を全く持たない方は地域にたくさんいらっしゃいます。 その方たちに障害のある方の日常生活をどう理解してもらうのか、障害のある方もみんなで考える時期にきていると思っています。 そういうことをするには、障害福祉サービスのいろんなサービスは、やれることがすごくたくさんあります。 今までは障害のある方しか見ていませんでした。 例えば高齢者のデイサービスと生活介護を一体化させることもできます。 就労継続支援B型で生活困窮者向けの食堂だって開けます。 そうやって、本当に何でもできると思うので、そういうことをしながら、イベントではなく日常生活の場で障害のある方とそうじゃない方がふれあえる機会を作ることが個人的に次のフェーズになると思っています。  講演終了、質疑応答で閉会